ドライブスルー葬儀は参列の負担を取り除くだけではないような気がするのですが…

 

日本初のドライブスルー葬儀を提供して話題となっている会社のビジネス戦略と戦術分析をしていた記事を読んで、モヤモヤとしてものを感じてしまいました。

車に乗ったまま参列「ドライブスルー葬儀」の需要が高まっているワケ|MAG2NEWS

この記事によれば、D&Aコンサルティングが提供するドライブスルー型の葬儀システムの導入で、葬儀会社は車に乗ったままの焼香が可能になる葬儀を提供できるとのこと。

焼香時間も3分に短縮され、参列者のストレスを大幅に縮小させるサービスになると分析しています。

高齢化社会にともなって、葬儀への参列者も高齢化、介助が必要な人が増加するなどの問題が顕在化しています。

これに対応するために同社ではこのシステムを開発し、特許を取得して提供しているとのこと。

国内初のドライブスルー葬儀導入葬儀場は上田南愛昇殿というところだそうです。

 

ドライブスルー葬儀のモヤモヤ

この記事では、画期的なシステムとしてこの事業を紹介していますが、私のモヤモヤ・ポイントをあげてみましょう。

まず、高齢者すなわち足腰の弱った層が増え、機会発生の多い葬儀での不便を解消するニーズが生まれるという観測には意義はありません。

実際に、私の身内もお墓参りすら雨だの暑いだの寒いだのと言っては行かないことが多くなったりして、家長制度が浸透していた以前ほどにはこうした儀式への参加に義務感を抱いていないのではないかと思えることがあります。

つまり、よほどお別れしたい相手でなければ、不便を押してまで葬儀に参加しなくてもいいと考えている人が増えている事実もある、ということです。

この機会損失はドライブスルー葬儀という便利さだけではフォローできないものと考えます。

それでなくても、葬儀自体が簡素化する傾向が強まっています。

遠方の親戚には、「わざわざ来なくてもいいよ」と声をかけることも多くなり、香典を郵送してもらい、お返しはカタログを送付することで「けじめとする」ことも珍しくなくなっているのではないでしょうか。

確かに、「せめてお別れをしたい」というリクエスト自体がなくなるとは思えません。義理を欠くことに神経質な人も少なくないでしょう。

ただ、義理を欠くという感情的な部分を優先する人なら、「車に乗ったままの焼香」に抵抗も強いのではないかと思ってしまうのです。

また、こうした簡便化が進めば、より簡便な「Skype葬儀」や「LINE ライヴ葬儀」でも義理は果たせると考えてしまうように思えるのです。

LINE Payで香典も納めることができたりしますしね。

そうなると、高齢化や過疎問題を解決するブレイクスルーとしてドライブスルー葬儀を見ることができずに、リアル葬儀からバーチャル葬儀への移行を早めるエポックではないかと思えたりするのですが……。

 

まとめ

この話題を考えていると、葬儀をどうするかではなく、どのようにお別れをするか、どのようにお送りするかという、実質的な内容を問う時代になってきていることを感じざるをえません。

実際に終活という言葉には、そうしたカスタマイズへの傾倒要素が多く含まれているからです。

そうなると、ドライブスルー葬儀ではなく、キッチンカーのようなスタイルの「出前葬儀カーによる葬儀」のほうがニーズが多いような議もするのですが……。

とはいえ、それも過渡期のアイデアっぽいですね。

人口減少と高齢化の社会における葬儀の在り方、まだまだ考察が必要であるようです。

 

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