“いきがい”であるべき会社への帰属が鉄道自殺の原因になっていることをどうすればいいのか

 

東洋経済オンラインでジャーナリストの佐藤裕一氏が、自己調べによる鉄道自殺のレポートを寄せています。

これによると、2016年までの8年間で鉄道自殺した一都三県の雇用者は584人。

このうちの原因で最も多いものが健康問題の172人 。

健康問題の内訳では、身体の病気、うつ病、統合失調症、アルコール依存症、薬物乱用、その他の精神疾患、身体障害の悩みなどに分けられています。

次に多かったのは勤務問題で91人。

こちらの内訳も、仕事の失敗、職場の人間関係、職場環境の変化、仕事疲れなどに分けられています。

この内訳から分かるのは、うつ病口にした鉄道自殺が96人と最も多く、次いでうつ病と統合失調症以外の精神疾患の35人ということになります。

見逃せないのは、職場の人間関係の29人、仕事疲れの28人で、これが3位と4位になっていること。

記事では、これらの4つの原因は健康問題と職場の問題に分かれるものではなく、双方が複合して原因となっていると分析しているようです。

自殺の場所として鉄道を選ぶ特殊性も関係していると考えられますが、記事では鉄道以外の自殺原因も引用し、この順位に変わりないことで、健康問題と職場の問題に自殺を引き起こす大きな問題があることを示すことができています。

つまり、ここから推測できることは、外的な要因による「悩み」が精神疾患的な健康問題を引き起こすだけでなく、直接の原因にまで発展してしまっているということ。

端的に言えば、仕事をすること自体が、生きる希望を削いでいるとも言えるわけです。

この問題を解く鍵は、自分の人生と会社で働くという生き方の関係を考え直すことにあると思います。

しかし、常に選択肢の最善策として上位から学校と就職先を選んできた人生では、その選択肢や選択方法を考え直すことは「アイデンティティを否定する」ことに匹敵することかもしれません。

そうなれば、この問題は根がかなり深いことになり、簡単に解決できないでしょう。

確かに、「仕事を休めばいい」「会社を変わればいい」と言うのは簡単です。

しかし、それに対して抵抗がある生き方をしてきたからこそ、それを選べなくて悩むわけですね。

カウンセリングは「聴く」ことから始まると言われますが、こうしたケースで「なにを聴けばいいのか」については、本人が行き詰まっていることを考えると、話として表現できないことも多いのではないでしょうか。

また、思考停止の状態を緩めて行くには、まったく違うアプローチを用意することも(例えばレクリエーション的な方法論ですね)視野に入れるべきでしょう。

記事では、労働環境に関する虐待の定義をして、法整備をすべきという提案がされています。

ただ、声を上げることができない状態に追い込まれる(あるいは自分で追い込んでしまう)ことも影響することを考えると、法整備と合わせたケアの必要があると考えます。

まだまだ考えなければならないことが多そうです。

参照:鉄道自殺「うつ病」と並んで多い原因は何か|東洋経済オンライン

 

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