非常時の空気感を常態とする自衛隊のセクハラ問題は根深い【ニュース拾い読み】

 元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(23)が訓練中などに性被害を受けた問題で、防衛省は29日、事実を認め、国会内で五ノ井さんに謝罪した。同省の町田一仁・人事教育局長は「長く苦痛を受けられ、深く謝罪する」と述べた。五ノ井さんは「今認められたのは本当に遅い。私に直接セクハラをしてきた人たちが直接謝罪に来てほしい」と涙ながらに訴えた。

 防衛省は演習場の宿泊施設で2021年8月、隊員が五ノ井さんを押し倒し性的な身体接触を行い、口止めを行ったなどと認定した。陸自トップの吉田圭秀・陸上幕僚長は記者会見で「今後調査を進め、事実関係を確定し、速やかに懲戒処分を行う」と述べた。

 五ノ井さんは謝罪を受けた後の記者会見で「(自衛隊の)中にいると感覚が麻痺(まひ)し、どこがセクハラか、そうでないのか分からなくなる」と話した。また、「一度認識を統一し、全隊員に教育したほうが良い」と求めた。

 防衛省や自衛隊内のハラスメントをめぐっては2021年度、窓口に2311件もの相談が寄せられている。浜田靖一防衛相は今月6日、すべての自衛隊員を対象にハラスメントに関する特別防衛監察を実施すると表明している。(田嶋慶彦)

この一連のニュースに触れていて連想してしまったのは、
“侵略”する部隊が彼の地で非人道的な行為を行なっているという
別の報道でした。

つまり、同類の組織においては許容範囲とされているのが、
今回のセクハラと呼ばれる行為だったのではないか、と。

であるとすれば、自衛隊における今回のこの事例は根深いものがあり、
安易に解決=繰り返さないようにするというわけにはいかないのでは
ないかという気がしてならないのです。

そもそも、そうした“前提”があったからこそ、
見過ごそうとした組織的な問題があったのではないか。

五ノ井氏は「自衛隊にいると感覚が麻痺」と言及していましたが、
まさにそういう空気感のなかでこの組織が使命を全うしようと
しているということでしょう。

これを変えるには内規や法律論ではなく、
やはり自衛隊や日本の自衛の在り方を考え直すことから
始めないとならないのではないかと思ったりしています。

ニュース拾い読みとは?

ニュースを介して社会に関心をもち、つながりを感じることは、孤立感を解消させるという意味で、精神衛生上にも良い効果をもたらすものと考えています。そうした意味を込めて、ニュースの動向を探っていこうと思っています。
この「ニュース拾い読み」では、ニュースのヘッドラインをピックアップして、コメントを付け加えるという内容でお送りしています。

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