終活は親の振り見て我が振り始め
終活を意識するのは、親の心配をし始める40代からということが多いようです。
しかし、40代にとっての親すなわち60代後半から70代という前期高齢者が当事者として終活を考えることはもちろん、せっかく関心をもったのなら40代から終活を考えたほうがいいという指摘の記事。
というのも、この記事で例に挙げているセルフネグレクト(日常の生活に支障をきたす無気力)に陥るパターンが、終活を心配しなければならない親をもつ40代に増えているのではないか、というのは私見なのですが。
親の介護など、自分のことを後回しにするタイプに人に、セルフネグレクトが多いことは想像できるでしょう。
にもかかわらず、先に逝く親の生前整理には神経質になるものの、自分の片付けはできなくなってしまっているわけです。
これでは精神衛生上よいわけがありません。
折り返し地点という意味でも、40代は生前整理をするいい機会と言えます。
まず手を付けるべき「冷蔵庫」と「トイレ」
とはいえ、自分の家の片付けだできていない人にとって、生前整理ってなにから手を付けたらいいのかわからないというのが現実。
そこでこの記事が進めているのが、「冷蔵庫」と「トイレ」を整理しましょうというもの。
冷蔵庫はまず、消費期限切れのものを捨ててしまうこと。きれいに並べたり、使いやすくという余計な配慮をしようとすると、手が止まってしまいます。
ラベルの数字を見て、機械的に「捨てなければならないもの」を選別して、処分するという作業が、心の負担を軽くしてくれるはずです。
トイレについては、便器をとにかくきれいにすること。
臭いがしなくなって、汚れの輪がなくなれば、やっぱり気持ちがいいものです。
冷蔵庫の処分をするとわかることですが、整理というのは「モノを減らすこと」です。
モノが減らないままでは、いくら積み上げ方や並べ方を工夫しようとしても、その空間がきれいになったと感じることはありません。
効率的な収納も、不要なモノを捨てて、必要なモノだけを使いやすく配置するから、「便利になった!」と感じるのです。
片付けの「難所」をどうすればいいのか
興味深いのは片付けにくい難所があるという指摘。
この記事では、以下の5つが「片付けの難所」として挙げられています。
1.写真やアルバム
2.はがきや手紙
3.本、CD、DVD、レコード、ビデオテープ
4.引き出物
5.請求書や領収書
なるほど、うなづけますね。
特に上位の2つは、私もいろいろと試行錯誤していました。
1と2に関しては、いずれもデータであると割り切って、私はすべてデジタル化しています。
はがきや手紙もスキャンして、名前と日付で検索できるようにしておきます。
たぶん、生きているうちに1回か、あっても2回ぐらいしか使うことのないデータですが、捨ててしまうのは探せない不満だけ解決できるようにしておけばいいわけです。
アルバムについては、デジタルのほうが見やすかったりします。コメントを1枚ずつ付けておくのも忘れないようにしましょう。
生前整理をプロにたのむと20万円以上?
前段の「自分で始める生前整理」は、時間があるときにコツコツとやるのがポイント。
しかし、入院や施設への転居など、限られた時間内で生前整理をしなければならないこともあるでしょう。
そんなときは、プロに頼るしかありません。
3LDKのマンションの整理を依頼すると、20万円以上というあたりが相場のようです。
私が耳にした「汚部屋」の清掃実費は、4トントラックを何台か呼ばなければならなかったので、ワンルームマンションにもかかわらず30万円近くかかったこともあったとか。
自分では気がついていないかもしれませんが、特にセルフネグレクト気味であれば、部屋のなかにはモノが溢れているはずです。
いまや、モノはタダではなかなか捨てることができなるなっています。
40代という気力と体力のあるうちに、意識的に生前整理を始めるというのも、無駄なお金を使わずに済む堅実なライフハックと言えるのではないでしょうか。