年金も一緒に転職しておかなければタイヘンなことになっちゃいますよ【ニュース拾い読み】


老後のために積み立てた年金を、本人も気づかぬまま「放置」してしまっているケースが増加している。転職や退職の際に企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入資格を失い、必要な手続きをとらないまま毎月手数料を徴収されている人が約110万人もいるのだ。

こうした「放置年金」は国民年金基金連合会が管理しているが、移換費用や手数料が差し引かれるうえ、運用機会も失われることになる。転退職者の増加など雇用が流動化する時代、あなたは老後生活を支える大切な年金で損をしていませんか。

無駄なサブスクがないように
毎月の支払のチェックを怠らないような人も、
いずれはもらえるものだからと
年金のチェックを疎かにしていたら、
タイヘンなことになっちゃいますよという記事です。

確定拠出年金制度がスタートして20年以上。
会社によっては早くからこの制度を導入して、
早期退職などのタイミングでも丸々、
この恩恵にあずかることができる人が
いるんじゃないでしょうか。

退職時には総務から説明があるはずなのですが、
転職の予定だったりすると失念することも多いようです。

そもそも「確定拠出年金ってなんだっけ?」と
自動天引きで黙っていても貯まっているから
この制度がお得だと思われていた面もあるでしょう。

記事の例では、40代女性が転職後にこのことを思い出し
あわてて「資産の移換手続き」をしたという内容。

転職先が確定拠出年金制度に参加していなかったことから
気づくのが遅れたというケースです。

こうした放置されている確定拠出年金は5年で7割も増加、
2500億円近くに上っているそうです。

そもそも確定拠出年金と呼ばれる企業型DCやiDeCoは、
公的年金に上乗せされる私的年金。

企業型DCでは運営する会社が掛金や手数料を負担し、
従業員が運用していますが、この運用に関しては、
福利厚生の一環として自動加入している企業も。

その場合、掛金を支払っている意識が薄いため、
こうした放置されてしまう事態が起きるようです。

一方、好評の企業型DCも中小企業では未加入がまだ多く、
加入していた企業から未加入の企業への転職で
こうした移換手続き忘れが発生してしまうわけです。

加入企業から未加入企業への転職の場合、
手続きは加入者自身が行なわなければなりません。

積み立てた年金は退職時に転職先かiDeCoに移す必要があります。

恐ろしいのは、放置したままで済まされないこと。

放置によって加入資格が喪失し、6ヵ月が経過すると
積み立てていた年金資産は国民年金基金連合会へ自動的に移換されます。

そうすると、積立や運用の指示が引き継がれずに、
それまで運用されていた投資商品はすべて売却。

保管されているのが現金だけという状態になります。

この保管にも手数料が徴収されることになり、
移換費用の4,348円に加えて毎月52円が
チャリ〜ンチャリ〜ンと引かれていくのです。

もちろん、この現金を引き出すにも1,100円の手数料が必要です。

また、確定拠出年金の基礎知識として知っておかなければならないのが、
加入期間10年以上が必要ということ。

転職でも通算で10年以上を満たしていれば、
60歳からの受給が可能になります。

が、放置による自動移換が実施されてしまった場合、
加入期間に算入されないので注意が必要です。

10年に満たない場合には段階的に最高65歳まで
おあずけを食らうことになってしまいます。

2022年10月からは企業型DCとiDeCoの同時加入要件も緩和、
企業の規約変更がなくても併用できるようになります。

転職はキャリアプランを見直す重大なタイミングですが、
同時にアフターキャリアの要になる資産状況にも
ぜひ注意を払って臨んでください。

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