終活に関する2つのアンケートを比べてみました

 

「終活に関する調査」という名目のアンケート調査の結果が公表されています。

いずれもインターネットによる調査ですが、1つは石材業界によるもの、もう1つはリサーチサイトに登録している人へのもの。

就活というサービスに対する「提供する側」と「提供される側」という、ある意味で対照的なポジションからの問いかけに、どのような差があったのかを見てみたいと思います。

 

「提供する側」のリサーチは、全国石製品協同組合(全石協)によるもの。この組合、石材業界唯一の経済産業省公認団体なのだそうです。

「”終活”に関するアンケート調査」を2年連続で実施|お墓の引越しドットコム

対象は全国40代~70代以上の男女2,206名。

「提供される側」のリサーチは、楽天リサーチによるもの。登録モニター約230万人から抽出された全国の20〜60代の男女1.000名が対象です。

終活に関する調査|楽天リサーチ

 

「終活という言葉を知っているか」という問いについて、大きく差が開いたことが、まず興味深かったです。

全石協では「知っている」が32.3%だったのに対して、楽天リサーチでは78.7%(「聞いたことがある」を含めると96.6%)。

ネット民の終活に対する意識の高さが表われた結果ではないでしょうか。

「終活をやっているか」については、全石協では「やっている」が11.3%、楽天リサーチは7.9%(「近いうちに始める予定」を含めると18.1%)と、ほぼ同じような結果になっていると言えるでしょう。

ただ、全石協では「やっていない」88.7%にまとめてしまっていますが、楽天リサーチでは「実施する予定はない」5.4%と「予定はないが時期が来たら始めたい」76.5%と一歩掘り下げていて、潜在的なニーズがかなり高いことを示しています。

このほか、全石協で「エンディングノートのまとめかた」が専門家に相談したいという項目のトップ(38.9%)になっていたり、楽天リサーチでは「エンディングノートを知っている」が51.9%(「聞いたことはあるがよく知らない」を含めると82.8%)と、終活の入り口がエンディングノートに集約されている状況が見て取れるようです。

一方で、実際に終活を始めている人が専門家に聞きたいことでは、エンディングノート(21.6%)を抜いて「お墓の準備」についてがトップ(23.6%)になっていることも注目に値します(全石協アンケート)。

全石協からのアンケート調査ということで「お墓」を意識させることが回答にも影響していたかもしれませんが……。

 

このアンケートと比較から、エンディングノートは「プレ終活」、実際の終活ではお墓や相続など具体的な対処を必要とする項目がそれぞれの事情によって炙り出されてくるという、終活には段階的な準備が必要であることが浮き彫りにされたように感じています。

そう考えるとなおさら、エンディングノートに関しては広く意識が浸透していることが両者回答からも見え、それだけにシステムや方法論の整備とマッシュアップが求められているのでしょう。

 

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