日本では54%の人が自宅で最期を迎えたいと望んでいるそうです
2007年度に内閣府が行った意識調査では国民の54%は自宅で最期を迎えたいと望んでいるという結果が出ているそうです。
これに対して2011年に自宅で亡くなった人は12%。かなりギャップがあるようです。
これまで行政でも、終末期医療や高齢者ケア住宅の整備などに力を注いてきた経緯がありますが、それに反して “民意”の部分では「自宅で死にたい」という希望が少なくなく、今後の高齢化に伴ってその母数も増えるものと思われます。
住み慣れた自宅で死にたいという希望は、ごく当然のものであり、“終活”が注目されるなかでますますクローズアップされるポイントになるでしょう。
しかしその反面、自宅で死を迎えるには多くの越えなければならないハードルがあるのも事実です。
「1人暮らし」「寝たきり」「在宅医療との連携」「見守りサービス」といった、サポートできる周辺環境が整わなければ、「自宅で死を迎えたい」という希望も絵に描いた餅になってしまうでしょう。
この記事で紹介されているのは、岐阜県訪問診療に力を入れている医師が扱っているケースです。
終活では準備と処理が注目されるわりに、「いまわの際」の状態については言及されないような印象を受けています。
もちろん、自分がどのような状態で死を迎えるのかを想像するのは難しく、それが周囲の家族にいたっては「縁起でもない」ことの筆頭に挙げられそうな内容になるからでしょう。
しかし、実際にこの記事のようなケースを見れば、在宅医療との連携は必須であり、終活以前のQOLの点で、検討しておかなければならない筆頭項目であるとさえ言えるのです。
自分では「住み慣れた自宅で死にたい」と思うのに、家族の立場では「病院にいてくれたほうが安心できる」という矛盾は、終活の準備だけでは解決できない問題かもしれません。
そしてまた、実際にどういう扱いであれば満足できたのかは、当人が死んでしまうので確かめようもないのです。
まとめ
せっかく“終活”の意識が高まって、死ぬ前に声を上げることができる機会が出てきたわけですから、どんな選択肢が考えられ、どうすればより希望を反映した死の迎え方が出るかをリクエストしていくことも、終活には必要ではないかと思った次第です。