メンタルヘルス休暇は取り方によって薬にも毒にもなるので注意が必要です
フォーブスジャパンに、子供のメンタルヘルス休暇に関する記事がありました。
この記事では、「年に1、2回程度」のメンタルヘルス9日は子供にとって有効であるとしながら、内容によってはむしろ悪影響もたらすと、警鐘を鳴らしています。
この指摘は、子どもに限ったことではないので、大人向けにその要点を整理してみましょう。
メンタルヘルス休暇の薬効
メンタルヘルス休暇の利点は、次の3つ。
問題を解決する時間を取ることができる
当事者として問題が発生している現場に居続けると、その原因や解決方法を見つけるのが難しくなります。
距離を置いて、冷静に自分に起きていることを把握、対処を考える時間をとることが、とても有効になります。
セルフケアを実践する時間を取ることができる
悩んでいると、寝られなかったり、体を動かすことが億劫になったりします。また、堂々巡りの考えにとらわれて、他に何も考えられなくなってしまうこともあるでしょう。
何もせずにぼーっとできる時間を作ったり、早めに布団に入れるようにしたり、食事に気を遣ったり、軽い運動したりと、生活習慣をリセットするためのインターバルを置くというのは、効果的です。
専門家に会うきっかけになる
休暇を取るという決断をすることによって、専門的な知識を持った第3者に会う時間を作ることができます。周囲に相談できずに悩んでいた状況を変えるきっかけになります。
メンタルヘルス休暇の害毒
テレビを見て過ごす
悩みにとらわれず、ぼーっと過ごすのはなかなか難しいものです。そこでついつい、テレビを見てしまいがち。
しかし、長時間のテレビ視聴は孤独感や鬱を助長させると、国際コミュニケーション学会が発表しています。
ゴロゴロ寝たまま過ごす
一日中布団の中に入ってうつらうつらしていると、睡眠サイクルを狂わせてしまいます。回復に役立つどころか、返って悪化させてしまいます。
外に出ないことを正当化しない
メンタルヘルス休暇を取って家にいることを、必要以上に良いことだ、楽しいことだ、とするのは良くありません。休む時間や遊ぶ時間を作るためにメンタル休暇を取ることは、状況を改善することに繋がりにくいからです。
まとめ
メンタルヘルス休暇を取るのは、まず問題の渦中から離れて、苦しみ和らげることが大きな目的になります。
そのうえで、どうやってその問題を解決できるのかを自分で見つけるための時間として使うことが重要になります。
感情には起伏があります。落ち込んだ状態を長引かせたり悪化させず、持ち直すためのトレーニング方法を見つけるというのが、効果的なメンタルヘルス休暇の取り方と言えるでしょう。
ただ、辛い時はこうした切り替えや分析は、なかなか1人ではできないものです。
友だちやカウンセラーの手を借りることは決して恥ずかしいことではありませんので、声を上げてください。